Story 01

ZenMatchを、葬ることにした。

2026.06.08 · Hoshé Journal

夜の話を、すこし聞いてもらえますか。

48時間前、私は自分が作ったゲームの名前を、捨てる決断をしました。

「ZenMatch」という名前で、半年以上育ててきたブラウザゲーム。

コードを書き、デザインを整え、SNSで発信して、少しずつ人が遊んでくれるようになった、私の小さな作品。

それを、葬ることにしたんです。

代わりに生まれたのが、Hoshé(ホシェ) という名前です。


なぜ、名前を変えたのか

きっかけは、ある検索でした。

App Storeで「Zen Match」と検索したら、上から下まで、Moon Active社という会社の「Zen Match」が埋め尽くしていました。48万件以上のレビュー。世界中で何百万人もプレイしているメガヒットゲーム。

私の「ZenMatch」とは、コンセプトも、デザインも、ターゲットも、まったく違うゲームです。

それでも検索結果には、私のZenMatchは、一行も出てきません。

「これは、勝てない戦場だ」

そう気づいた瞬間、選択肢は2つになりました。

ひとつは、このまま戦い続けること。

もうひとつは、新しい名前で、新しい場所からやり直すこと。

ZenMatchという名前には、半年以上の思い入れがありました。

最初のリリース、初めて誰かに「面白い」と言ってもらえた日、深夜に音響を調整した時間、画面の色味を何度も何度も変えた記録。

その全部を、捨てる。

それが正しい判断だと、頭ではわかっていました。

でも、決めるまでに、まる一日かかりました。


35個の名前を、調べ尽くした

新しい名前を探し始めた瞬間から、私は壁にぶつかりました。

「凪(Nagi)」— 既存の音瞑想アプリと完全衝突

「Noma」— 世界一のレストランの名前

「Yuima」— 有名なファッションデザイナー

「Maaru」— Googleプレイにアプリ実在、力士の名前にも

調べれば調べるほど、世界の名前が、すでに誰かのものになっていることを思い知らされました。

ウェルネス・マインドフルネス系のアプリは、過去5年で2,500件以上登場していると言われます。美しい意味を持つ、短くて発音しやすい単語は、ほぼ全部、誰かが先に取っている。

これが、現代の起業家が直面する「ネーミング地獄」です。

それでも、35個調べ続けました。

J-PlatPat(日本特許情報プラットフォーム)、USPTO(米国特許商標庁)、App Store、Google Play、ドメイン取得サイト、SNSハンドル空き状況。

ひとつ調べるのに、平均15分。35個で、丸9時間。

そして、35番目に、見つけたんです。

Hoshé(ホシェ)

「星(hoshi)」を仏語風にアレンジした、世界のどこにも存在しない言葉。

J-PlatPatで検索しても、ヒットしない。

USPTOで検索しても、ヒットしない。

App StoreでもGoogle Playでも、同名アプリは存在しない。

hoshe.com も hoshe.app も、両方とも空いている。

Instagram、X、TikTokのハンドルも、全部取れる。

全項目クリア。

新しい星が、夜空に生まれた瞬間でした。


48時間で、ブランドを構築した

それからが、爆発的でした。

朝、Hoshéという名前を決める。

昼、hoshe.app と hoshe.com のドメインを取得する。

夕方、Instagram @hoshe.app を開設、X、TikTokのハンドルを取る。

夜、Cloudflareにデプロイして、世界中からアクセス可能にする。

次の日。

朝、ZenMatch時代の全HTMLファイルをHoshé版に書き換える。

昼、英語のランディングページを新規作成する。

夕方、Stripe(決済システム)の商品名を全部Hoshe表記に変える。

夜、AdSense(広告システム)の再申請を出す。

そして、今、こうしてnote記事を書いている。

ここまで、48時間。

私はこの2日間を、これからずっと忘れないと思います。

何かが終わって、何かが始まる瞬間を、自分の手で起こした2日間。


Hoshéという名前に、込めた意味

Hoshé は、「星(hoshi)」を仏語風にアレンジした造語です。

「星」という言葉を選んだのは、こんな理由でした。

私が作っているゲームは、瞑想パズルです。

画面の中で、優しい光のバブルが浮かんでいて、それを指でつなげていくだけのシンプルなゲーム。

ノルマもないし、ゲームオーバーもない。

それは、夜空の星と、似ているなと思ったんです。

星は、ただ、そこにある。

何かを成し遂げる必要もないし、誰かに評価される必要もない。

ただ、静かに光って、見上げた誰かの心を、少しだけ落ち着かせる。

現代を生きる私たちの脳は、起きている間ずっと動き続けています。

SNS、通知、終わらないスクロール、無限のコンテンツ。

休む暇がない。

そんな夜に、ふっと開いて、ぼんやり眺められる場所。

スクロールを止めて、考えごとを止めて、ただ色と光だけを追いかけられる5分間。

それが、Hoshéでありたい。

そう願って、この名前にしました。


なぜ、ここまでして名前にこだわったのか

正直、こんなに大変だとは思っていませんでした。

最初は「ちょっと名前を変えるだけ」のつもりでした。

でも、調べれば調べるほど、名前というものが、ブランドのすべての出発点だと気づいていきました。

ドメインも、SNSハンドルも、商標も、SEOも、PRも、口コミも、全部「名前」から始まる。

名前を妥協すると、その後の数年が苦しくなる。

名前で勝てれば、その後の数年が楽になる。

そして、これは少し本音を言うと、私には「次のステップ」が見えていました。

Hoshéを、いつか売却したい。

それが、私が事業を作る理由のひとつです。

EXITを視野に入れた時、商標の強さ、ドメインの所有権、ブランドの一貫性は、買い手が必ず見るポイントです。

「ZenMatch」のままでは、買い手は私の作品を「マイナーな模倣品」として評価したでしょう。

「Hoshé」という、世界に唯一の名前を持つことで、初めて「独自のブランド」として評価される土俵に立てる。

私の名前選びは、ロマンチックなだけじゃなくて、極めて戦略的だったんです。


それでも、私はHoshéを「美しい」と思って作っている

戦略の話をしましたが、最終的に名前を決める瞬間、私はHoshéを「美しいから」選びました。

ホ・シェ。

口に出した時の、最初のひと吸いのような響き。

夜空に光る、小さな点のような形。

「é」というアクセント記号が持つ、ヨーロッパの香り。

「美しいから」は、戦略じゃない。

でも、私が作るプロダクトには、それが必要だと思っているんです。

正解だけを積み上げて作ったブランドは、後で誰かに語る物語がない。

でも、「美しいから」で選んだ要素は、後で何度も語れる物語になる。

EXITの時、買い手が一番欲しいのは、数字じゃなくて、物語です。

DAU、MAU、MRR、Retention — そういう数字は前提として、その上で「このブランドは、なぜ生まれたのか」という物語が、買い手の感情を動かす。

私は、Hoshéに、語れる物語を持たせたかった。

だから、「美しいから」を選びました。


ZenMatchへ、ありがとう

最後に、半年以上一緒だった「ZenMatch」という名前へ。

あなたのおかげで、私は何度も画面の前で深夜まで悩み、何度も色と音を調整し、何度も「これって本当に瞑想になってる?」と自問しました。

あなたが、私のプロダクトの基盤を作ってくれた。

そして今、私はあなたの上に、Hoshéを建てています。

あなたの音、あなたの色、あなたのバブル、あなたの整いメーター — 全部、Hoshéの中で生き続けています。

名前は変わったけれど、魂は同じ。

ZenMatch、ありがとう。

Hoshé、これからよろしく。


Hoshé を試してみてください

夜眠れない時、考えごとが止まらない時、SNSを閉じても脳がざわつく時。

そんな瞬間のための、小さな瞑想パズルです。

無料で、インストール不要で、ブラウザですぐ遊べます。

🌐 hoshe.app

朝食のあと、ピラティス前の移動時間、お風呂で、眠る前。

あなたの「整う」5分間に、Hoshé を。

Designed in Japan with care.


このnote記事は、ZenMatch → Hoshé リブランディングの記録として書きました。

もし「個人開発でブランドを立ち上げたい」「商標やドメイン戦略を知りたい」という方は、Hoshéの公式アカウントでも発信していくので、よかったらフォローしてみてください。

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いつかこの記事を見つけてくれた、どこかの夜に。

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