About Hoshé

脳を、休める
そのための小さな星。

Hoshé(ホシェ)は、脳を意図的に休めるために設計された、日本発のマインドフルゲームです。このページでは、その背景にある科学と、設計の思想、そして使い方を、ていねいにお話しします。

Part 1 — The Problem

なぜ、私たちの脳は
休まらないのか

夜、ベッドに入ってもまだ脳が動いている。スマホを置いたはずなのに、頭の中で誰かの投稿がリプレイされる。眠ろうとすればするほど、明日のタスクが鮮明に浮かんでくる。

これは、あなたの意志が弱いからではありません。現代の脳は、構造的にそうなるように追い込まれています。

人間の脳には「デフォルトモードネットワーク(DMN)」と呼ばれる神経回路があります。これは、何もしていない時に活性化する回路で、ぼんやりしている時、何かを思い出している時、未来を想像している時に働きます。本来は創造性や自己理解に必要な、大切な機能です。

ところが現代では、このDMNが過剰に活性化したまま、休むことを忘れてしまうという問題が起きています。

その背景にあるのが、私たちが受け取る情報量の増加です。カリフォルニア大学サンディエゴ校が2009年に発表した調査では、アメリカ人が1日に受け取る情報量は平均34ギガバイト(時間にして約12時間分)にのぼり、1980年から2008年の間だけでも消費される情報量は約3.5倍に増えたと報告されています。SNS、通知、終わらないスクロール。脳は、以前より確実に忙しくなっています。

その結果、スマホを置いても脳の興奮はすぐには収まらず、「夜になっても思考が止まらない」という状態が生まれます。これが、多くの人が抱える眠れなさの正体のひとつです。

Part 2 — The Paradox

「何もしない」が、
いちばん難しい

脳を休めるなら、瞑想をすればいい。多くの人がそう考えて、瞑想アプリをダウンロードします。けれど、その多くが数日のうちに使わなくなってしまう、というデータがあります。

理由はシンプルです。「何もしないこと」は、現代人にとって、最も難しいタスクだからです。

スマホ世代の私たちの脳は、常に何かをしている状態に最適化されています。何もせず目を閉じて呼吸に集中する、というのは、もはや訓練を必要とする上級スキルになっている。これは意志の弱さではなく、脳の習慣の問題です。

「何もしない」のが難しいなら、最小限の "心地よい何か" を脳に与えればいい。

この発想から生まれたのが、近年注目されている「マインドフルプレイ(Mindful Play)」という考え方です。

Part 3 — The Third Option

第三の選択肢、
マインドフルプレイ

心理学者ミハイ・チクセントミハイは、人が最も心穏やかになる状態を「フロー状態」と名付けました。時間感覚が消え、自意識が薄れ、行為そのものが目的になり、思考のループが止まる。そんな状態です。

興味深いのは、このフロー状態に最も入りやすいのが、瞑想ではなく「シンプルなルールの反復作業」だということです。たとえば、編み物、貝拾い、ジグソーパズル、庭の手入れ。これらに共通するのは、次の4つの特徴です。

よく設計されたパズルゲームは、これらの条件をすべて満たすことができます。「何もしない」のではなく「心地よい何かに没頭する」ことで、脳を休ませる。これが、Hoshéが立っている場所です。

Part 4 — The Design

Hoshéに込めた、
3つの設計

Hoshéのルールは、たったひとつ。同じ色のバブルを、3つ以上つなげるだけ。ノルマもゲームオーバーもありません。けれど、その簡素さの中に、3つの設計が静かに働いています。

1. 音の設計 — 意識の邪魔をしない低い音

Hoshéの背景には、低く、ゆったりとした音が流れています。正直にお伝えすると、「この音を聞くだけで脳波が変わる」と証明された研究があるわけではありません。音によって脳波を意図的に誘導できるかどうかは、専門家の間でも見解が分かれるテーマで、私たちはそこを誇張したくありません。ただ、ゆったりとした低周波の環境音が、瞑想や睡眠のための音源として長く使われてきたのは事実です。派手な効果音やメロディーではなく、意識の邪魔をしない「背景」であることを、いちばん大切にして選んでいます。

2. 色の設計 — 心理学にもとづく配色

Hoshéのバブルの色は、色と感情の関係を調べた研究を参考に選ばれています。ドイツ・マインツ大学の研究チームが2018年に発表した実験では、62人の参加者に色相・彩度・明度を変えた27色を見せ、感情の自己評価と同時に皮膚電位・心拍を計測したところ、彩度と明度が高い色ほど感情的な喚起度が高いことが確認されています。重要なのは、ひとつの色ではなく、画面全体の配色がどこへ向かうかです。同じ青でも、澄んだ明るい青は思考を研ぎ澄まし、深く沈んだ青は興奮を鎮める。トーンが変わるだけで、脳が受け取る印象は向きを変えます。詳しくは、次の「4つのモード」で説明します。

3. 整いメーター — 内的状態の可視化

Hoshéには「整いメーター」というUIがあります。連鎖が長くなるほどメーターが満ち、満ちると画面の演出が静かに変わります。これは単なる飾りではありません。人は、自分の内的状態が外から可視化されると、その状態が強化されることが知られています。「自分が今、整っている」と目で見ることが、実際に心を落ち着かせていきます。

Part 5 — The Four Modes

4つのモードと、
色の科学

Hoshéには4つのモードがあり、それぞれが特定の心の状態に向けた配色で設計されています。同じ色が複数のモードに登場することがありますが、まわりにどんな色が並んでいるかで、その役割は変わります。

CALM
パープル × 深いネイビー × シルバー

過剰に刺激され、寝つけない夜に。深く沈んだ色調が、一日の興奮を鎮める方向へ導きます。9時以降、眠る前の時間に。

FOCUS
クリアブルー × ライトブルー × ホワイト

集中したいのに、思考が散らかっている時に。澄んだ寒色が、頭を冴えさせる方向へ。深い作業や会議の前に。

RELAX
ピーチ × ピンク × ラベンダー

不安なとき、自分を責めてしまうときに。やわらかな暖色とラベンダーが、心の防衛反応をほどく方向へ。つらい会話のあとに。

RELEASE
ゴールド × オレンジ × コーラル

感情やエネルギーを抑え込んでいる時に。鮮やかな暖色が、抑えたものを外へ向かわせる方向へ。創作の前や、出かける前に。

Part 6 — How to Use

5分間の、使い方

むずかしいことは、何もありません。落ち着こうと「努力」する必要も、呼吸をコントロールする必要もありません。

なぜ、5分なのか

5分という長さには理由があります。フロー状態は、短い時間でも、シンプルな反復に没頭することで入りやすくなると考えられています。また、習慣化の研究では、求める行動が小さいほど続きやすいことが分かっています。5分は、どんなに忙しい日でも、正直に断れない長さです。

長く遊んでも構いません。短くても効きます。5分は、あくまで入口です。

Part 7 — FAQ

よくある質問

これは、ただのウェルネス商法ですか?

もっともな疑問です。正直にお答えすると、多くのウェルネス商品が「変容」を約束しますが、Hoshéが約束するのは5分間だけです。1週間試して何も感じなければ、失うものはありません。Hoshéの中心は無料です。背景にある考え方(デフォルトモードネットワーク、フロー状態)は、何十年も前から研究されてきたものです。新しいのは、その応用の仕方だけです。

瞑想アプリと、何が違うのですか?

従来の瞑想アプリは「じっと座って何もしない」という、現代の脳にとって最も難しいことを求めます。Hoshéは、focusを向ける小さなやさしい動作を手渡します。逆説的ですが、それが多くの人にとって、より深く心を静めます。「リラックスして」と言われるのと、温かいお茶を手渡されるのとの違いです。

不安が強い/集中が続かないのですが、向いていますか?

不安傾向のある方や、集中が続きにくい方から、瞑想よりもHoshéのほうが合うという声をいただくことがあります。脳が、やさしく掴まれる対象を持てるからです。ただし、このページは医療的なアドバイスではありません。治療を受けている方は、専門家にご相談のうえ、補助的にお使いください。Hoshéは専門的なケアの代わりにはなりません。

仕事中に使ってもいいですか?

はい。特にFOCUSモードはそのために設計されています。深い作業の合間の5分は、メールチェックよりもずっと質の高い「本当の休憩」になります。

5分も時間がありません。

2分でも大丈夫です。短い時間でも、興奮の連鎖を断ち切るには十分なことがあります。「これだけやれば正解」という最低ラインはありません。ひらいて、少し触れる。それだけでも、ひとつの実践です。

Part 8 — The Name

Hoshéという、
名前のこと

Hoshé(ホシェ)は、「星(hoshi)」を仏語風にアレンジした造語です。

星は、ただ、そこにあります。何かを成し遂げる必要もないし、誰かに評価される必要もない。ただ静かに光って、見上げた誰かの心を、少しだけ落ち着かせる。

休む暇のない現代の夜に、ふっと開いて、ぼんやり眺められる場所。スクロールを止めて、考えごとを止めて、ただ色と光だけを追いかけられる5分間。そんな存在でありたいという願いを込めて、この名前にしました。

※ 本ページで紹介する考え方や研究は、デフォルトモードネットワークに関するMarcus Raichleらの研究(Washington University in St. Louis, 2001)、フロー状態に関するMihaly Csikszentmihalyiの研究(University of Chicago)、情報消費量に関するUC San Diegoの報告書(2009)、色と感情に関するWilms & Oberfeldの研究(Johannes Gutenberg University Mainz, 2018)などの公開研究を参考にしています。Hoshéは医療機器・治療薬ではありません。あくまでウェルネス目的の補助的なツールとしてお使いください。深刻な不安・抑うつ・不眠などの症状がある場合は、医療専門家にご相談ください。

今夜、5分だけ。

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